2015/11/01

アメリカンハッスル

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「アメリカンハッスル」は詐欺師のカップルが逮捕をきっかけにFBIのおとり捜査に協力することになる、コメディードラマです。登場人物が早口なのが特徴で会話を理解するのには難易度の高い映画です。

俳優たちの中でも特に演技力が光ったのは、ジェニファー・ローレンス演じるロザリンとエイミー・アダムス演じるシドニーによる口論のシーンでしょう。二人はある日、カジノを巡るおとり捜査の現場で鉢合わせします。ロザリンは主人公アーヴィンの妻で、シドニーはアーヴィンの愛人です。二人は顔を見た瞬間からバチバチとライバル心を燃やし、火花を放ちます。そしてトイレでついに衝突するのです。

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シドニー:What the hell do you think you are doing?

いったい自分が何してると思ってるのよ。

What the hell do you think~?は怒ったときや興奮したときに、「なに考えてるんだよ」といったときに使います。

ロザリン:What do i think, what i’m doing? What the fuck do you think you’re doing?

何してると思ってるって? あんたこそ何のつもりよ。

What the fuck do you think~?もWhat the hellと同等の文で、「なに考えてるんだよ」といった意味で使われます。

ロザリン: You’re gonna come in here and judge me for flirting someone… While you’ve been fucking my hausband for how many years?!

こんなところに来て、私が誰かといちゃついていることを悪く言う気? 自分は私の旦那と何年も寝てるくせに。

to flirt は「いちゃつく」、「もてあそぶ」などの意味があります。

シドニー:You don’t have a fucking clue what’s going on.

あなたは何が起きてるかちっとも分かってないのよ。

You don’t have a clueは「You have no idea」に相当する表現で、「あなたは何もわかっていない」になります。

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ロザリン: I got a ring on my finger. We have a child together!

私は結婚指輪もしてるのよ。私たちには子供だっているんだから。

シドニー: He doesn’t love you, Rosalyn. He loves me and you know it..

彼はあなたのことなんて愛してないわ、ロザリン。彼は私のことを愛しているし、そのことをあなたも知ってるでしょ。

シドニー:And, I know it. He knows it.

それに私も彼も知ってるわ。

 シドニー:It maybe done now. It was beautiful and it was real. And, we loved each other.

もう(関係は)終わりかもしれない。だけど美しかったし、リアルだったわ。私たちは愛し合っていたんだもの。

ロザリン:  Stop it. Shut up!

やめて。黙って。

 シドニー: You scared him, you manipulate him… And, you use your son!

あなたは彼に恐怖を与えるの、彼を洗脳するしね。それに子供を利用するでしょ。

to manuplate someoneは「誰々を操る」といった意味になり、日本語では「洗脳する」と訳されることもあります。

ロザリン: Well, he must like it on some level. He must want it. Because, he keeps coming back for it. It’s like that perfume that you love,

ある意味、彼はそれが好きだし、それを求めてるのよ。だっていつも戻ってくるんだから。まるで好きな香水の匂いを嗅ぐようにね。

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ロザリン:   You can’t stop smelling. Even when there’s something sour in it. Can’t get enough of it. いくら嗅いでも足りないのよ。

匂いを嗅がずにはいられないのよ、たとえ酸っぱい匂いだろうと。

I can’t get enough of itは「どれだけ~しても物足りない」という表現です。

ロザリン: But, guess what? He’s never gonna leave me. He is always going to want me. And, I will make you so sorry Edith.

だけど、彼は私と別れないわ。彼はいつだって私を求めるんから。そしたらあなたを後悔させるから、私たち家族にしたことを絶対に後悔させるからね、エディス(シドニー)。

ロザリン: Mark my words!

私の言葉を覚えておきなよ。

シドニー:That’s fucked up!  I would never say anything that’s fucked up..to anybody. But, you did because you’re gross inside.

ひどいわ。私だったらそんなにひどいことは絶対に誰にも言わないけど、あなたは心が汚いから言えるのよ。

fucked upは英語で頻繁に使われるスラングです。状況によってさまざまな意味になります。「めちゃくちゃな」、「狂った」、「バカな」、「ひどい」などと日本語にすると無数の訳があります。

ロザリン:Oh, I’m gross inside? Maybe, your gross inside…both robbing people and all that shit that you do.

私の心が汚いって? あなたの心でしょ。人のものを奪って、これだけ汚いことしておいて。

ロザリン:Maybe, we are both gross inside. That’s what Irving loves about us. At least, he is consistent.

もしかしたら私たち二人とも心が汚いのもかね。それこそーヴィンが私たちのことを好きな理由よ。少なくとも彼は一貫しているわ。

ロザリン:You know sometimes in life, all you have, are fucked up, poisonous choices.

人生においてはね、ときどき毒のような選択肢しか残っていないこともあるのよ。

ロザリンはこう言うと、シドニーに狂ったようにキスをしてトイレを出ていきます。長いセリフのやり取りの中にお互いの心理が見え隠れする見事な口論でした。