コンプライアンス 服従の心理

compliance

今回は、一本のいたずら電話が巻き起こす信じられない事件を追った究極のスリラー、コンプライアンスのセリフを見て行きましょう。ある男が刑事を名乗り、一本の電話をファースフード店にかけます。電話に出たマネージャーはその男の言うことを全て信じ込み、盗みを働いたという店員の女の子を尋問してしまう、というのが大体の筋書きです。なにより人を信じ込ませてしまう男の話術がすごいので、そのあたりのセリフをみていきましょう。



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ファーストフード店が忙しい昼間の時間に、とある一本の電話がかかってきます。以下は店長のサンドラと刑事ダニエルの電話による会話です。

サンドラ:Hello. South End.
もしもし、サウスエンド店ですが。

刑事ダニエル:Yeah, this is Officer Daniels with the police department. Are you a supervisor?
あのぉ、警察署のダニエル刑事ですが。 あなたが責任者ですか。

*電話で自分の名前を名乗るときは「This is ~」といいます。

サンドラ:  Yes I am. I’m the manager.
はい、私が店長(マネージャー)ですが。

刑事ダニエル:What’s your name again, ma ‘am?
もう一度、名前を言ってもらえますか。

英語では、名前が聞き取れなかったときや忘れたときは「What’s your name again?」と聞きます。againが付くことで「あなたの名前はなんでしたっけ」という意味になります。

サンドラ:My name is Sandra Fromme.
サンドラ・フロームですけど。    

刑事ダニエル:Sandra. Okay, and you’re the manager. Good. So I’ve got your regional manager, Robert Gilmour, on the other line,and he’s told me to go ahead and call you directly.
サンドラね。OK.あなたが店長ね。よし。おたくのリージョナル・マネージャーのロバート・ギルモアとちょうどほかのラインで話しているんだけど。彼がね、あなたと直接話すように言ってるんですよ。

サンドラ:Right. So this is about the freezer.
はい。フリーザーのことですよね。

刑事ダニエル: Freezer? No, ma ‘am. This is about a theft.
フリーザーだって? 違いますよ。窃盗の件ですよ。

刑事ダニエル:  It seems one of your employees stole some money from a customer’s purse.
なんでもあなたのところの従業員の一人が客のハンドバッグから金を盗んだみたいなんです。

サンドラ:I’m sorry?
なんですって?

刑事ダニエル:You have a young lady, works at the register, about 19 years old Blonde?
あなたのところに、レジで働いている若い女性がいるでしょう。 19歳ぐらいで。金髪かな?

サンドラ:Becky?
ベッキーのこと

刑事ダニエル: Becky. Yeah, we have her name as Rebecca. That’s right, Becky.
ベッキー、そうだ。我々のところではレベッカとして通報があったけど、そのベッキーだ。

 サンドラ: In the South End store?
サウスエンド支店で起きたんですか?

刑事ダニエル: Yeah, that’s right, ma’am. This happened… We have the customer here who says she can attest to the theft.
その通りです。事件が起きたんですよ。ここに被害者の客がいるんですけど、窃盗について証言できるって言ってます。

サンドラ: Okay. So this happened now, today?
あ、はい。それは今日起きたんですか?

刑事ダニエル:That’s correct, ma ‘am. My marked units are gonna come in behind soon. We’ve been observing her as part of a bigger investigation, but Mr. Gilmour said I could count on you for your help in the matter.
そうですよ。 うちの部隊がそちらに向かっています。 実はもっと大きな事件(捜査)に関して我々は彼女を追ってきたんですよ。 だけどミスター・ギルモアがこの件であなたを信頼して手伝ってもらっていいって言ってくれたんでね。

ここでは事件と訳しましたが、investigationは警察が「捜査」という意味でよく使う言葉です。

 サンドラ:  Well, sure.  Um, what is the bigger investigation?  Do you mind me asking?
はい、もちろんです。もっと大きな事件ってなんなんですか。もし聞いてもよろしければ。

Do you mind me ~ing?で「私が~しても構いませんか」という意味になります。

刑事ダニエル:    I can’t share that with you at this time, ma ‘am.
それはあなたには言えないんですよ、今の時点では。

この会話から電話をかけてすぐに相手を完全にビビらせているのが分かると思います。見事な主導権を握り方ですね。特にベッキーが大きな事件に関わっていると言って、ただの窃盗事件ではない、とほのめかしている手が絶妙です。こんないたずら電話恐ろしいですね。