2015/11/01

キャプテン・フィリップス

Captain-Phillips

「キャプテン・フィリップス」はソマリア沖で海賊に襲われ、捕虜となったアメリカ船の船長のサバイバル劇です。この映画の特徴はシーンが目まぐるしく移るため、ほとんど1対1でじっくり会話をすることがなく、あまり長い会話はありません。唯一会話らしい会話は冒頭のフィリップス船長と奥さんの会話です。

冒頭でフェリップス船長は自宅から勤務先のアフリカに向けて出発します。空港までの道中、妻と子供たちのことなどについて話し合いますが、なにか胸騒ぎを覚えていたのでしょうか。奥さんもその緊張感を感じ取っています。そのときの会話がこれです。

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フィリップス船長の奥さん:You all right? 

あなた大丈夫。

アメリカ人の会話の特徴は文法通りに話さないことです。この場合も「Are you all right?」というのを「You all right?」と省略しています。

フェリップス船長: Yeah.

うん。

フィリップス船長の奥さん:You’d think these trips would get easier, but it’s just the opposite.

あなたは出張はだんだん楽になるって言ってたけど、むしろハードになってるわ。

You’d thinkは「you would think」の略でこの場合は過去の習慣や繰り返しした行動を示しています。直訳すると「あなたは(以前たびたび)出張がもっと楽になると考えていたけど、(実際は)その逆です」という意味です。

フェリップス船長: Well, I feel the same way, Ange.

うん、俺もそう思うよ、アンジー。

to feel the same wayで「同意見だ」、「同感だ」という意味です。

フィリップス船長の奥さん:I know this is what we do. This is our life. But it just seems like the world is moving so fast, and right now things are changing so much.

これが私たちの仕事だってことはわかってる、これが人生だって。だけど、世界はなんだかものすごい勢いで進んでいるみたい。最近なんて物事がすごく変化しているもの。

right nowは「まさに今このとき」という意味です。

フェリップス船長: They sure are.

確かにそうだね。

「sure」を入れることで、「確かに」というのを強調しています。

フェリップス船長: I’ll tell you something. It’s not gonna be easy for our kids.They’re going into a different world than the one you and I came into.

一ついうけど、子供たちにとっては大変(な社会)になるだろうね。彼らは僕らとは違った社会に入ろうとしているんだ。

この場合の「world」は「世界」よりむしろ「社会」を表しています。

フィリップス船長の奥さん:Yeah.

そうね。

フェリップス船長:  You know, both our kids are doing great. But it worries me when Danny doesn’t take school seriously. Him missing class. That could come out…It might hurt him when he’s out looking for a job, you know?

子供たちは二人ともうまくやっているけど、ダニーが学校で真面目じゃないことが心配だよ。授業を欠席したりさ。それが響くんだよ、就職活動するときにマイナスになるんだ。わかるでしょ。

worryは動詞として使う場合、「心配させる」という意味になるので注意が必要です。to take something seriouslyで「~を真面目に取り組む」、「真面目に受け取る」といった意味になります。to hurt someone は「誰々を傷つける」という意味ですがここでは「(ダニー)彼にダメージを与える」、あるいは「損させる」といった意味合いがあります。

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フェリップス船長:  The competition out there… When I was starting out, you could make captain if you put your head down and did your work. But young guys coming up now…Companies want things faster and cheaper. And 50 guys compete for every job.

競争がね、僕が働きだしたときは、キャプテンになるにしても、頭を下げて、自分の仕事だけすればよかったけど、(これからの)若者はね、会社もなんでも早くて安いものを欲しがってるから。一つの仕事に50人ぐらいの募集があるし。

to compete for ~で「~のために競争する」という意味になります。

フェリップス船長:Everything’s different, and big wheels are turning. You gotta be strong to survive out there.

なにもかもが違うよ。大きな変化が起きているんだ。 (社会で)外で生き残るには強くなくちゃいけない。

wheels are turningはこの場合「なにかが起きている」という意味の言い回しです。

フィリップス船長の奥さん:Mm. I hear what you’re saying. It’s gonna be okay, right?

そうね。大丈夫よね。

I hear what you’re sayingは「ちゃんと聞いてるよ」、「言ってることは分かるよ」という意味です。gonnaは「going to」に値するスラングです。

フェリップス船長:Oh, yeah. Gonna be okay.

ああ、なんとかなるよ。

ここでgonnaが使われています。この場合は「It’s」が省略されているのが特徴です。

胸騒ぎがするからか二人とも世の中に言葉にできない不安を抱えているのがわかります。まるでその後起こる事件を予知していたかのようなどこか悲観的なイメージを残す会話でした。